ヒルクライム日本百名登プロジェクト

日本百名登への道

背景と目的

日本列島は周囲を海に囲まれながらも、内陸には山々が聳える急峻な地形を持つ。この5年間、日本中を自転車で旅し、一部の島を除いてほとんどの地域を訪れ、そこで必ずヒルクライムを楽しんできた。

旅を始めて1年ほど経った頃、旅先で登山の「日本百名山」を目指すハイカーと頻繁に出会い、自転車にも登るべき100のヒルクライムルートがあっても良いのではないかと思うようになった。

全国から100を選ぶには、一人で全てに登り、選定しなければならないと感じた。北海道に詳しい人が九州に詳しいとは限らない。2つの地域のルートを標高差や登坂距離で測ることはできるが、景色や歴史、成り立ち、そして実際の路面状況や雰囲気、登り切った時の充実感など、走ってみないとわからないこともたくさんある。その全てを考慮に入れて選んでこそ、本当の『百名登』だと思っている。

全国に無数にある峠や山。『百名登』に選ばれなかった登りについて、「なぜ選ばれなかったのか」を説明するには、私自身で登っておかないとならない。その中で、100を選ぶという途方もない計画は無謀にも思えたが、日々地道に全国でヒルクライムを繰り返し、今ではその数は1000を超えた。もしかしたら100を選ぶことができるかもしれないと、夢が現実味を帯びてきた。

『ヒルクライム日本百名登』の制定

1964年に刊行された深田久弥さんの「日本百名山」は、多くの書籍やテレビ番組に取り上げられ、登山愛好家に広く普及した。この本がもたらした「100」という達成可能「かもしれない」目標が、多くの人々を山へと誘った。同様に、自転車界にも『百名登』を制定し、新たな目標を提供することで、自転車の魅力を大きく広められると考えている。

私の挑戦と選定基準

私は日本全国で日々ヒルクライムに挑戦し、その印象を写真と文章で記録してきた。これまで登ってきた全国1000以上の山々に加えて、未踏のヒルクライムにも引き続き挑戦し、私の主観で百名登を選定する。選定基準は、標高差や距離といったボリュームに加え、景色や路面状況、歴史背景や成り立ち、そして私個人の思い入れやエピソードも含めたいと思っている。

百名登の果たす役割

何倍にも広がるヒルクライムの楽しみ方

各コースのプロフィールだけでなく、歴史や景観、体験談を通じてコースの魅力を知ることで、既知のヒルクライムコースでも見え方がガラッと変わる。たくさん足を止めた方が楽しい登坂もあるかもしれない。もちろん、全国の珠玉のコースでタイムアタックに挑戦することも、最高の楽しみの一つである。

新たな目標の創出

タイムや走行距離といった目標はサイクリストにとって設定しやすい目標だが、そこに全国に散りばめられた100のヒルクライムコースを「いくつ」登破できるか、という大きな目標が生まれる。登り方はもちろん各自の自由。一心不乱に頂上を目指すもよし、見たこともないような絶景に足を止めるもよし。100回もの新鮮な体験が待っている『百名登』という新しいチャレンジが生まれる。

百名登を通した夢

『百名登』の普及により、私一人では成し遂げることのできない美しい写真や映像、個々の充実した体験談を、たくさんのサイクリストが発信してくれるようになる。こうして、『百名登』が広く知られて、観光資源として認知されることで、コースの案内板や距離表示、山頂標高の看板や石碑などの設置に繋がり、コースの価値がより高まるかもしれない。死にゆく旧道が整備されることがあるかもしれない。「道路」がないと楽しめないサイクリストにとってこれほど嬉しいことはないし、次世代のサイクリストにも語り継がれていくはずである。

今後に向けて

『ヒルクライム日本百名登』は、100回の新鮮な挑戦と新たな土地を訪れる旅のワクワク感を同時に味わえる魅力的な目標になる。この『百名登』が多くのサイクリストにとって、世代を超えて長く愛されることを確信している。

ひとつひとつの登りに丁寧に向き合って、納得いく形として文章にまとまったら、このWeb Siteで記事を紹介していこうと思っている。定期的な発信を目標にしているが、待っているであろう大変さには想像がつかないことも多く、まずはプロジェクトを発表して動き出してみることにした。

最終的な目標は書籍化。時間的にも、金銭的にも、大きな大きな挑戦になる。今まで一歩一歩ペダルを踏み込んで、たくさんの登りと向き合い、その数を積み上げてきたように、今回も地道に続けていきたいと思う。

コメント

  1. Pat Morris より:

    A wonderful idea Saita! Many cyclists enjoy following great climbs in Europe (and around the world) and this will be very interesting and helful for us to read about. In my research, it is hard to find good information on cycling in Japan.

    • Saita Naoto Saita Naoto より:

      Thank you, Patrick Morris.

      Japan has countless climbing routes in its rugged mountainous terrain. I believe that selecting the best 100 from among them will be very meaningful for the development of cycling.

      I have already attacked over 1000 climbs. I believe that I am the only one who can select the best 100. In addition to my impressions of actually climbing the courses, I also take into account the history, scenery, distance, elevation etc. of the course.

      I hope that my project will be useful in creating cycling courses for your business!!

      I’m sorry that this article is in Japanese. I’ll have to think about an English version someday. For now, please make full use of Chat GPT and Deep L.

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